現在地: 除染技術関連情報 課題とベストプラクティス 除染水の回収・処理・排水に関する課題とベストプラクティス

除染水の回収・処理・排水に関する課題とベストプラクティス

・大規模な除染では洗浄水等の発生場所が多数になり,処理設備を長期間設置しておくことが困難になることも予想されます。処理設備を車載型とし,洗浄水等の発生場所に移動できるような設備も検討すべきです。

・厳冬期では設備が凍結し,作業効率に重大な影響を及ぼす可能性があります。建屋内に設備を収納するなどの凍結防止対策を検討する必要があります。

・発生汚泥の処理については高線量となることが予想されるため,あらかじめ遮へいされた容器内に人手を介さずに分離できるような工夫が必要です。

・洗浄水による下流の汚染については,住民から多くの不安の声がありました。水を利用した除染を行う際には,周辺を養生するとともに,側溝に堰を設けるなどの流出防止策を講ずることが重要でした。家屋や植栽に対する高圧水洗浄の場合,高圧水洗浄の後に下のたたきや表土の除去を行うことで,二次汚染を防止することができました。

・回収した洗浄水の処理については,放射性セシウムがイオンとして存在するか,浮遊物に付着しているかで,ゼオライト等の吸着剤の必要性が決まります。本事業では放射性セシウムの存在形態に対する詳細な分析を行わないませんでしたが,洗浄水が土粒子を含む懸濁水の場合には,ゼオライト等の吸着剤を使用せずとも凝集沈殿のみで濃度は低下し,放射性セシウムが土粒子あるいは浮遊物質に付着していたことが推察されました。一方,学校プールのような滞留水においては,付着する浮遊物が少ないこともあり,凝集沈殿だけでは濃度は低下しない結果も得られ,一部,イオン状態で存在することも想定されました(富岡第二中学校のプールに対する試験結果より)。このような滞留水に対しては,ゼオライト等の吸着剤を導入することが必要です。

・凝集沈殿法とろ過法では,それぞれメリットとデメリットがあります。例えば,凝集沈殿法は装置,手法等は容易ですが沈殿物の水分除去,固形化等が必要になります。一方,ろ過法では除去物は個体であり取り扱いが容易ですが,ろ過に時間がかかることやフィルターの目詰まり,洗浄等の対応が必要となります。また,凝集沈殿法はバッチ処理であるのに対し,ろ過法は連続処理ができるといった特徴であります。どちらの手法を採用するかについては,処理水の性状,必要な処理量等により異なり,一概にどちらかの手法を推奨することは困難です。