現在地: 除染技術情報 除染技術カタログ(第1版) 農地の表土削り取り

農地の表土削り取り

除染ガイドライン作成調査業務報告書

除染技術の概要

 

 農地の表層にある土壌を削り取り,放射性セシウムを除去することにより,汚染された農地を利用可能な状態に回復します。また,農作業における外部被ばく線量,土壌からの再浮遊粒子に伴う内部被ばく線量も低減されます。

 放射性セシウムを含む土壌を除去物として保管します。そのため,剥離する土壌の厚さ,作業後の保管方法は適切に選定することが重要となります。
 
除染方法
  1. 基本的な削り取り

    • 農業用トラクタを利用して,表面を浅く(4~5cm)砕土の後,土壌を削り取ります。
    • 削り取った土壌は,バックホウ等で土のうに詰めます。
  2. 固化剤の利用

    • マグネシウム系固化剤と水の混合溶液を農場に吹き付けます。
    • 固化剤が浸透し,土壌が十分固化した後(晴天時7~10日),削り取り作業を行います。
    • 削り取り厚を一定に制御するため,油圧ショベルのアームを押しつけながらスイングして,削り取りを進めます。

 

 固化剤が土壌に浸透するよう,ほ場が乾燥している状態で固化剤を吹きつけることが望ましいです。
 
 
必要な機器等
  1. 基本的な削り取り

    • 農業用トラクタ
    • バーチカルハロー:砕土のためトラクタに取り付け
    • リアブレード(排土板):土壌を削り取り,集積するためトラクタに取り付け
    • フロントローダー
    • バックホウ,土のう
  2. 固化剤の利用

    • マグネシウム系固化剤
      ポリイオン,分子性ポリマーでも同様の効果が期待される。)
    • 油圧ショベル

 

除染に必要な人員

 

 トラクタ,重機の運転,操作が可能な者。

 

必要な安全対策等
  • 表土の削り取り作業では粉塵が発生する可能性があるので,防塵マスクを着用します。
  • 高線量域では,土壌の飛散防止効果から,固化剤の使用が推奨されます。
  • 固化剤の使用により,削り取り厚も薄くなるため,除去物の発生量を減少できます。
  • マグネシウム系固化剤の使用により地表が白色に着色されるため,削り残し,取りこぼしが目視で確認できます。(マーキングによる目視確認効果に有用)
  • 作業後の汚染拡大を防止するため,除去に使用したトラクタ(特に,取り付けたバーチカルハロー,リアブレード),重機等を洗浄することが必要となります。
  • 集積した土壌の周囲では線量率が高くなるため,剥離した土壌の運搬,保管作業時には,適切な放射線モニタリング,被ばく管理のための装備が有効となります(線量計)。
  • 除去した土壌は汚染(線量率)のレベルに応じて,適切に管理します。

 

作業による被ばく低減等の効果

 

 これまでの実証試験において以下の低減効果がありました。

  1. 基本的な削り取り(10aの水田;表土約4cm)

     

      放射性セシウム濃度除染前:10,370Bq/kg→除染後:2,599Bq/kg

      土壌表面の空間線量率除染前:7.14μSv/h→除染後:3.39μSv/h

     

  2. 固化剤を用いた削り取り(10aの水田:表土約3cm)

     

      放射性セシウム濃度除染前:9,090Bq/kg→除染後:1,671Bq/kg

      土壌表面の空間線量率除染前:7.76μSv/h→除染後:3.57μSv/h

 

除染作業の時間または期間

 

 基本的な削り取り(ただし,除草作業は含めない。)

  • 砕土15~20分(1名)
  • 削り取り40~50分(1名)
  • 集積,排土70~85分(2名)
  • 袋詰め15~20分(2名)

 

出典

 

「農地土壌の放射性物質除去技術(除染技術)について」平成23年9月14日農林水産省プレスリリース,(独)農業・食品産業技術総合研究機構による実証試験