現在地: 除染技術情報 除染技術カタログ(第1版) 土地表面の被覆(上下層の土の入替,芝等の被覆)

土地表面の被覆(上下層の土の入替,芝等の被覆)

除染ガイドライン作成調査業務報告書

除染の概要

 

 上下層の土を入れ替えることにより,表土にあった(下層に移った)放射性セシウムを下層にあった(表土となった)汚染のない土で被覆します(天地返し)。汚染のない土層が,下層に移った放射性セシウムを遮へいするので,他に保管場所を確保しなくても被ばく線量を低減することができます。
 計画的避難区域のような比較的線量率の高い土壌に芝等を植栽することで,土壌の除去等の恒久的な対策までの間の表層の汚染土壌の拡散を抑制するとともに,恒久的対策を行う際の作業員の外部被ばく低減が期待され,作業性の向上を図ることができます。芝等は,恒久的な対策(土壌の除去等)の際に剥ぎ取り,除去物として適切に取り扱います。

 

除染方法
  1. 上下層の土の入替

     10cmの表層土を底部に置き,20cmの掘削した下層の土により被覆します。表層土を除去し,捲き散らないよう一時的に保管します。

    • 土を除去した場所を深く掘削して,深い層にあった土壌と別の場所に保管します。
    • 表層にあった土壌を埋めて,深い層にあった土壌で被覆します。
    • 広い土地では,エリアを区切り,上記の作業を順次進めていきます。その際,表層にあった放射性セシウムを含む土壌が,他の土壌と混在しないように保管する場所を確保して作業を進めることが重要です。
  2. 芝等による被覆

     農作地や裸地に芝等を植栽します。

 

 

 

  • 不陸のある(平らでない)土地では,ローラーにより転圧整地後播種工法や播き芝工法を適用します。
  • 整地されている土地ではゴーローン(木綿製の2層ネットに苗を挟んだもの)や張芝工法(予め芝畑にて1年以上育成した芝を切り出し置いていく)を適用します。
  • 被覆した芝は,恒久的な対策として土の除去作業を行う際に,人力もしくはソッドカッターにより土壌ごと剥離します。
  • 剥離した芝等は,土のう袋等に詰め,適切に保管します。

 

除染に必要な機器(代表的なもの)
  1. 上下層の土の入替

    • シャベル・スコップ・レーキ(・小型のブルドーザー)・ゴム手袋・マスク等
  2. 芝等による被覆

    • 自走転圧ローラー・転圧用ベニヤ板・散水器具(汲上用エンジンポンプ等)
    • ゴム手袋・マスク等

 

除染に必要な人員

 

 芝等による被覆では,芝等の植生の経験者(専門業者)。

 

 

必要な安全対策
  1. 上下層の土の入替

    • 発生する粉塵をなるべく吸入しないようにマスクを着用します。
    • 作業後の汚染拡大を防止するため,除去に使用したシャベル,スコップ等を水の飛沫を浴びないように洗浄します。
  2. 芝等による被覆

    • 対象となる地域に対応した内部被ばく防止のため保護具を着用します。

 

作業による被ばく低減の効果
  • 上下層の入れ替えの場合,10cmの表層土を底部に置き,20cmの掘削した下層の土により被覆することで,埋めた土からの放射線を遮へいすることが確認されています。
  • 芝の成長に伴う吸収効果も期待でき,芝やサッチ(枯れて堆積した層)の刈り取り・除去により,40%程度の線量率低減効果があった事例があります。((独)日本原子力研究開発機構による浪江町・計画的避難区域における80日間の試験。)

 

芝施工時の実績工数
  • 芝張り施工4人日,芝剥離施工2人日,(JAEA試験=108m2実施時の実績)

 

備考
  • 上下層の土の入れ替えについては,比較的線量率が低い地域では,除去物の保管場所を他に必要としないことからも,適用が推奨されます。