芝地の除染

除染ガイドライン作成調査業務報告書

除染の概要

 

 芝地では,放射性セシウムが芝の地上部や土壌表面近傍に沈着・浸透している可能性があります。そこで,放射性物質が沈着あるいは堆積する前からある芝生等を除去することにより,被ばく線量の低減化を図ることができます。
 その際,芝生の再生が可能な方法の適用を検討することが重要となります。除去した刈芝等は適切に取り扱い,管理します。
 
除染方法
  • 事前の放射線モニタリングにより,特に線量率が高くなっている場所を把握します。
    特に,家や建物に近い芝生は,流れ落ちた雨水等により放射性物質が集積している可能性があります。
  • 芝刈り機の使用,あるいは手作業により,芝や草を刈り取ります。刈り取った芝や草は,熊手,箒等で回収します。芝刈り機に装備されている集塵箱を利用した場合,周囲に芝,草,土を飛散させずに回収できます。
  • 芝生の葉及びサッチ層(枯れた芝草,刈りかすの堆積層)を除去する「深刈り」により,除染の効果が期待できます。この場合,芝生の再生が期待できます。
  • 線量率が高く,「深刈り」では十分な除染効果が得られない場合は,シャベルや鍬等を用い,芝,草を根こそぎ除去します。

除染に必要な機器(代表的なもの)
  • 芝刈り機・ソッドカッター
  • シャベル・鍬・熊手・箒

ソッドカッター

 

必要な安全対策

  • マスクを着用することで,発生する粉塵の吸入を防止できます。
  • 作業後の汚染拡大を防止するため,除去に使用した重機等を水の飛沫を浴びないように洗浄します。
  • 除去物(除去した芝生等)の保管方法や場所は,汚染(線量率)のレベルに応じて適切に選定します。
  • 除去した芝生等を集積した場合,その周囲では線量率が高くなるため,運搬,保管作業時には,適切な放射線モニタリング,被ばく管理のための線量計の装着が必要となります。

 

作業による被ばく低減の効果

 

 計画的避難区域(浪江町)において,芝刈り後に70%程度の線量率低減効果があった事例があります。(地表面除染前:42μSv/h→除染後:12μSv/h)
 芝生の葉及びサッチ層の除去(「深刈り」)で,地上50cm及び地表において,それぞれ45及び81%程度の線量率の低減効果があった事例があります。

 

備考

 

 除去物の発生量を抑えることができ,芝生の再生が期待できるという観点からも,「深刈り」による除染方法は推奨されます。

 

出典

 

 芝生の除染実証実験結果」(平成23年8月8日福島県県中建設事務所,(財)福島県都市公園・緑化協会)