現在地: 除染技術情報 除染技術カタログ(第1版) 広い土地における表土除去

広い土地における表土除去

除染ガイドライン作成調査業務報告書

除染技術の概要

 

 校庭,園庭,公園の土壌で,放射性セシウムは土面の表層近くに付着しているので,表面から数cm~5cmの層の土壌を除去することにより,被ばく線量の低減化が図られます。
 被ばく線量の大幅な低減が期待されますが,放射性セシウムを含む土壌が大量に発生する作業なので,除去する土壌厚さを適切に選定して,除去物の発生量を抑えることが重要となります。
 
除染方法
  • 運動場のような広い土面については,重機で剥離します。表土を残さないよう,数回(3回程度)に分けて,数層で剥離することが推奨されます。
  • 雑草が放射性セシウムを含む腐葉土化した層を取り除きます。そのため,同時の雑草の除去も有効となります。
  • 重機が入れない狭い領域については,手作業で表土を除去します。
  • 除去した土壌を土のう袋等に封入します。


除染に必要な機器(代表的なもの)
  • ブルドーザー等の重機・シャベル,レーキ(補助的な手作業)
  • マスク・ゴム手袋
  • 装置,機器の運搬車・土壌の運搬車,荷車
  • 土のう袋等の土壌を封入する機器

 

除染に必要な人員

 

 重機を使用する場合,運転,操作な可能な者を必要とします。


必要な安全対策
  • マスクを着用することで,表土除去で発生する粉塵の吸入を防止できます。
  • 放射能濃度が高い地域では,水や固化剤(マグネシウム系固化剤,ポチイオン等)の散布による土壌の再浮遊防止が推奨されます。実施に当たっては,散布作業に伴う被ばく線量とのバランスを考慮する必要があります。
  • 作業後の汚染拡大を防止するため,除去に使用した重機等を水の飛沫を浴びないように洗浄します。
  • 除去物(除去した土壌等)の保管方法や場所は,汚染(線量率)のレベルに応じて適切に管理します。
  • 集積した土壌の周囲では線量率が高くなるため,剥離した土壌の運搬,保管作業時には適切な放射線モニタリング,被ばく管理のための線量計の装着が必要となります。


作業による被ばく低減の効果
  • 学校,幼稚園において土壌を剥離した場合,下記のような線量率の低減効果があった事例があります。(周辺環境の除染状況により,線量率の低減効果は大きく異なります。)

    中学校の校庭の平均除染前:2.50→除染後:0.15μSv/h(1m高さ)

    幼稚園の園庭の平均除染前:2.7→除染後:0.22μSv/h(50cm高さ)
  • 公園において,表面2~3cm程度の土壌を雑草とともに除去した場合,線量率が表面で80%程度,1m高さで60%程度の線量率の低減効果があった事例があります。

 

 

 

除染作業の期間

 

 重機による約10,000m2の校庭の表土除去(トレンチへの保管)の例では,約10人の作業者で5~6日を要しました。このうち,表土剥離に1日,客土と表面整形に2日は必要となります。トレンチの掘削,遮水工,埋設,覆土工事などには,さらに前後2日は必要となります。(土壌の保管場所により,作業日数は変わります。)

 

備考

 

 除染する土面を深く掘削し,除去した(表層にあった)土壌を埋設し,深い層にあった土壌を表層に被覆する方法を採用した場合には,他に除去物の保管場所を必要としません。(C-3を参照のこと)
 グラウンドの表土除去の場合,その広さから除去物の発生量も多くなります。そこで,放射線モニタリングを行い,除去の必要性を確認した後に作業を進めるとともに,必要以上に土壌を厚く剥ぎ取らないように注意します。