現在地: 除染技術情報 除染技術カタログ(第1版) 屋根,屋上等の放水(高圧)洗浄

屋根,屋上等の放水(高圧)洗浄

除染ガイドライン作成調査業務報告書

除染技術の概要

 

 家屋や建物の屋根(屋上),外壁等を放水洗浄(高圧洗浄)して,拭き取りやブラシ洗浄で除去できなかった枯葉,苔,土等を流れ落とすことにより,被ばく線量の低減化が図られます。

 作業で大量の水を使用する場合,洗浄水(排水)の取り扱いに注意し,適切に取り扱う必要があります。

 

除染方法
  • A-1に示す作業で屋根や屋上に付着している枯葉,苔,土等を除去した後に,高圧洗浄を実施することにより,排水の発生量,水に含まれる放射性物質の量を低減させ,再汚染の拡大を防止できます。
  • 洗浄水が流れる経路を事前に想定し,排水経路は予め清掃して,スムーズな排水が行えるようにします。A-3に示す雨樋の清掃は,放水洗浄の前に実施します。
  • 除染作業は高所から低所の順に行います。例えば,屋根は上部から先に洗浄を行います。
  • 高圧水洗浄を行う場合,最初は低圧での洗浄を行い,洗浄水の流れや飛散状況を確認しつつ,徐々に圧力を上げて洗浄を行います。これにより,水圧による土等の飛散を防ぐことができます。
  • 洗浄水(排水)を周囲に飛散させないよう,周縁部から内側,高地から低い方向へ向けて洗浄します。
  • 枯葉,苔,土等が溜まりやすい部分(例:屋上の排水口)は,念入りに洗浄します。

  • 除染効果を高めるためには,水の突出口を除染する対象に近づける必要があります。
  • 洗浄作業後,周囲を放射線モニタリングし,汚染の拡大がないことを確認します。特に,屋根や屋上から洗浄水(排水)の流れ先となる庭や敷地等は注意します。

  家屋や建物の除染作業で水を使用した場合,放射性物質が庭等に移る可能性もあるため,庭地の除染(例えば,A-5に示す表土等の除去)は,家屋の後に実施するのが効率的です。

 

除染に必要な機器(代表的なもの)
  1. 洗浄
    • 放水用のホース・高圧水洗浄機(・洗浄機の動力源・給水装置)
  2. 高所対策
    • 高所作業車・命綱・ヘルメット
  3. 防水対策
    • マスク・ゴム手袋・ゴム長靴・防水用の服

 

除染に必要な人員
  • 屋根,屋上等の高所の専門作業者(安全面から)。
  • 高圧水洗浄,回転ブラシ洗浄を行う場合,洗浄機の操作経験のある者。
  • 高所作業用の車両,給水ポンプを使用する場合は運転者。

 

必要な安全対策
  • 放水による除染の際,洗浄水が飛散する可能性があるので,吸入したり,体に付着させたりしないよう,マスクや防水服等を着用します。特に,高圧水洗浄では,洗浄水が作業者に付着しないように注意します。
  • 大量の水を使用する場合,洗浄水(排水)が流れる経路,下流域の水利用を確認した上で,必要に応じて取水制限を行う等,除染の計画段階で検討します。
  • 屋根洗浄の場合,高所作業になるため,転落や物の落下に注意しながら作業を進めます(例;命綱,ヘルメットの着用)。

 

作業による被ばく低減の効果(表面汚染密度の低減率)

 

福島県内での試験結果として,高圧洗浄機回転ノズル(15MPaの場合)で下記の除染効果(表面の汚染密度の減少)が得られた事例があります。

  • 日本瓦及び焼き瓦約90%(汚染が約1/10になりました。)
  • セメント瓦約80%(汚染が約1/5になりました。)

 

注意点
  • 洗浄する表面の素材により除染効果は異なります。レンガのような多孔性の物では,孔の中に吸着したセシウムを除去することは難しく,高圧洗浄でも線量率が顕著に低下しなかったことが確認されています。
  • 回転ブラシは,茅葺きや瓦の屋根には適しません。
  • 高圧洗浄では,水圧により除染効果が異なります。(トタン屋根で,7MPaの作業では低減効果が確認されなかった事例もあります。)また,屋根の素材,構造等によっては,高圧水で破損等する可能性もあるため,専門業者の助言を受けることが重要となります。