大気圏核実験

大気圏核実験の歴史1)

最初の核実験(コード名「トリニティ」)が1945年7月16日にマンハッタン計画の一環としてアメリカ・ニューメキシコ州アラモゴード近くの砂漠で行われました。その後4週間も経たないうちに,アメリカは,最初に広島に(1945年8月6日),次に長崎に(1945年8月9日)原爆を投下しました。現在に至るまで,戦争で核兵器が使われたのはこの時だけです。

1945年から1980年にかけて,世界のさまざまなところで500回以上の核実験が行われ,放射能を帯びた塵を大気圏にばら撒いてきました。アメリカの初期の実験拠点はビキニ環礁(1946年),エニウェトク環礁(1948年)でした。1949年にロシアで初めての実験がカザフスタンのセミパラチンスクで行われました。これにより,アメリカのネバダ核実験場での核開発計画が加速しました。しかし,エニウェトクとビキニでも1958年まで実験が続き,アメリカの威力の大きい水爆実験のほとんどはこれらの環礁で行われています。さらに,1958年と1962年にジョンストン島で12回,1962年にクリスマス島で24回の核実験が行われました。南大西洋と太平洋の高高度大気で数回の追加爆破実験,および,カリフォルニア南部の太平洋で2回の水中実験も行われています。

ロシアの核開発計画では,カザフスタンのセミパラチンスクで116回の核実験が行われ,その中には1953年のロシアでの初めての水爆実験が含まれます。地上および空中投下の実験が行われましたが,多くは空中投下によるものです。1955年,北極海のノヴァヤゼムリャで実験が開始され,それ以降,大規模水爆実験はこの場所で行われました。実験はトーツク(1954年と1956年)およびカプースチン・ヤール(1957, 1958, 1961 および1962年)でも行われました。

イギリスは,西オーストラリア州沖のモンテ・ベロ島,オーストラリア南部のマラリンガおよびエミューの実験場および太平洋のマルデン島で実験を行っています。また水爆実験を1957年と1958年にクリスマス島で実施しました。

中国は1964年から1980年にかけてロプノールで大気圏実験を行っています。

フランスの最初の核実験は1960年と1961年にアルジェリアで行われました。しかしその後フランスの大気圏核実験は南太平洋のムルロア環礁とファンガタウファ環礁で1966年から1974年にかけて行われています。

過去に核実験が行われた場所2)についてはこちらを参照下さい。

 

参考文献

1) Thorne, M C, Background Radiation: Natural and Man Made, J. Radiol. Prot., 23, 29-42, 2003
2) United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation, UNSCEAR 2008 Report to the General Assembly, with scientific annexes: Scientific Annex B