現在地: 背景情報 放射線の基礎 確定的影響と確率的影響

確定的影響と確率的影響

 

 

 影響が発生する最小線量のことを「しきい値」と言います。確定的影響と確率的影響の大きな違いは,確定的影響にはしきい値がありますが,確率的影響にはしきい値がないということです。
 
 例えばX線やCT診断によって放射線を浴びても,しきい値を超えませんから紅斑などの急性障害,すなわち確定的影響は発生しません。逆に,しきい値以上の線量を浴びたときは確定的に紅斑などの急性障害が現れます。
 
 一方,発ガンなどの確率的影響については,被ばく線量が多くなれば発症する確率が高くなるという傾向があります。しかしながら,100ミリシーベルト以下の低線量域では,被ばく線量と発ガン率との間に統計学的に明確な関係が認められていません。そこで,国際放射線防護委員会(ICRP)は,明確な関係が認められる長崎・広島における被ばく線量と発ガン率との関係直線を100ミリシーベルト以下の低線量域にも延長できるものと仮定して,放射線防護の基準を定めています。この考え方はあくまで放射線防護の観点から導入されたものであり,低線量領域での影響を推定するためのものではないことに注意しなければなりません。